Nature ハイライト

古生物学:前期中新世までさかのぼった古代プロテオミクス

Nature 643, 8072

約1600万年前の長鼻類化石が発見されたケニア・トゥルカナ盆地のBuluk。
約1600万年前の長鼻類化石が発見されたケニア・トゥルカナ盆地のBuluk。 | 拡大する

Ellen Miller

今週号では2報の論文で、前期中新生の歯化石のエナメル質からプロテオームが回収されたことが報告されている。D Greenたちは、タンパク質の分解が進みやすい熱帯環境であるケニアで発見された、年代が1800万〜1600万年前のサイ類と長鼻類の歯化石から、さまざまなエナメル質タンパク質の断片を回収した。一方、R Patersonたちはカナダの高緯度北極域で発見された年代が2400万〜2100万年前のサイ類の歯から、絶滅サイ類の系統発生の推論を可能にするエナメル質タンパク質の配列を得た。以前の年代の限界を大きく超えたこれらの成果は、さらに古い年代のタンパク質情報が得られる可能性を示している。

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