Nature ハイライト

Cover Story:炎の中で作り出される:原始星の周囲の凝縮する鉱物が太陽系の形成初期の状況に光を当てる

Nature 643, 8072

ALMAが捉えたHOPS-315の姿。
ALMAが捉えたHOPS-315の姿。 | 拡大する

ALMA(ESO/NAOJ/NRAO)/M. McClure et al.

太陽系の地球型惑星は、星間固体物質と、若い太陽の周囲を取り巻く高温ガスが冷却された際に凝結した岩石質の固体の混合物から形成されたと考えられている。鉱物が高温ガスから凝縮し始める瞬間こそ、惑星形成の時計が動き出す瞬間である。今週号ではM McClureたちが、オリオンB分子雲中の原始星HOPS-315におけるこの惑星形成の開始時刻を捉えた天文学的観測結果について報告している。ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)とアタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計(ALMA)によって捉えられた観測結果は、原始星付近の星間固体粒子が、一酸化ケイ素および一酸化炭素からなる細いジェットの根元で燃え尽きた後、結晶性鉱物として再凝縮することを示唆している。表紙の画像は、ALMAによるHOPS-315の一酸化炭素地図を基に描いた惑星形成瞬間の想像図である。HOPS-315の環境が太陽系と類似していることから、この原始星は、身近な場所で惑星がどのように形成されたかを調べるための優れたモデルとなるかもしれない。

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