Nature ハイライト

Cover Story:高忠実度:量子計算のための誤り訂正の重要なしきい値をシリコンキュービットが超えた

Nature 601, 7893

表紙は、シリコン量子コンピューターの構成要素であるスピンキュービットの想像図である。2つの赤い球が原子核で、それに伴う電子の波動関数(楕円)がそれらを取り囲んでいる。4つの「ローブ」は、キュービット間のエンタングルメントを表している。今回3報の論文が、マルチキュービット・エンタングルメントを用いたシリコン系量子コンピューター・プラットフォームについて独立して報告している。A Morelloたちの論文では、シリコンに埋め込まれた原子(表紙)が用いられており、他の2つの論文では、L Vandersypenたちと野入亮人(理化学研究所)たちが、量子ドット中の電子を扱っている。重要なのは、3報の全てで99%を超える忠実度が達成されていることだ。これは、100回の演算で生じる誤りが1回未満であることを意味し、シリコンキュービットを用いた量子コンピューターを実現可能なものにし得る、誤り訂正の重要なしきい値である。今回の結果によって、新たな量子デバイスに長い歴史を持つ製造技術を用いる準備ができたのかもしれない。

2022年1月20日号の Nature ハイライト

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