Nature ハイライト

精密測定:エンタングルメントによる時間測定の改善

Nature 588, 7838

光格子時計は、2つの原子準位間のエネルギー差を測定することによって時間を測るもので、その精度は光格子に捕捉された多数の同一原子を調べることで向上する。今回V Vuletićたちは、光原子時計遷移においてエンタングルした捕捉171Yb原子の多体状態を生成したことを報告している。これは、光格子時計の精度が、標準量子限界(基本的な量子雑音によって決まる達成可能な精度の限界で、量子相関を利用しないと克服できない)を克服できることを意味している。今回の成果は、エンタングルメントに基づく光原子時計に向けた重要な原理検証実験であり、こうした時計は現行の最先端の時間測定の精度を超えると期待される。

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