Nature ハイライト

生化学:窮乏期のリボソーム

Nature 583, 7815

細胞が栄養素の欠乏に適応する際には、リボソームが主たる分解標的となる。それは、こういう場合にはタンパク質の産生が減速することと、リボソームはオートファジーを介してヌクレオチドやアミノ酸の重要な供給源になると考えられているからである。今回H Anたちは、栄養ストレスがプロテオームをどのように再編成するかを系統立てて調べるとともに、翻訳、オートファジーや非オートファジーの機構を介したタンパク質の代謝回転、それに細胞分裂の結果がリボソームの希釈に及ぼす相対的な寄与を評価している。ヒト細胞のリボソーム濃度が飢餓の間も維持されるのは、細胞体積とリボソーム数がバランスを取りながら減少するためであることが明らかになり、またリボソームの減少は、リボソームタンパク質の翻訳抑制と、主に非オートファジー経路を介するその分解促進とをうまく釣り合わせることによって達成されていることが分かった。

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