Nature ハイライト

遺伝学:数万例の精子ゲノムを解読して減数分裂をより深く知る

Nature 583, 7815

減数分裂の際には、染色体の乗換えによって相同染色体間での遺伝物質の交換が可能になる。このような組換え事象の研究は、技術的な制限のためにこれまで数百個程度の配偶子に限定されていた。S McCarrollたちは今回、数万例の精子ゲノムを同時に塩基配列解読できるSperm-seqという手法を開発している。彼らはこの手法を用いて、20人の精子ドナーから提供された3万1228個のヒト精子細胞のゲノムを解読した。これにより、染色体間、細胞間、ドナー間での組換えにおける変動を、これまでにない検出力で調べることができた。この研究は総合的に、染色体再編成が配偶子間や個体間で変動する程度や、このような変動の原因となる機構についての新たな知見をもたらす。

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