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進化論:公共財ゲームで協力を最大にするには

Nature 559, 7713

ゲームに複数回のラウンドがあるモデルの多くでは、プレーヤーは各ラウンドで同じゲームを行う。しかし、現実の生活では、過去のラウンドの結果次第でプレーヤーが行動を変化させることが分かっており、それにはもちろん以前の競争についての記憶があるかないかが関わっている。加えて、プレーヤーは最も合理的な結果を選ぶだろうと一般に想定されており、人々が第一印象や評判などに基づいて意思決定を行う傾向があることが現在ではよく知られている。今回M Nowakたちは、公共財ゲームにおいてプレーヤーが協力すると分け前が増え協力しないと分け前が減るようにラウンド間で報酬が変化する場合、協力が進化しやすくなることを報告している。これは、環境の悪化のような事例に応用することができる。天然資源は生息地の破壊や密猟の結果として希少化するため、残りの資源の価値が上がり、それを保全しようとする人々の動機が高まるからである。

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