Nature ハイライト

Cover Story:バタフライ効果:外来植物を好む傾向が局所個体群を絶滅に追いやる

Nature 557, 7704

エディタヒョウモンモドキ(<i>Euphydryas editha</i>)。
エディタヒョウモンモドキ(Euphydryas editha)。 | 拡大する

Credit: randimal / iStock / Getty Images Plus

1993年にNatureに掲載された論文で、米国ネバダ州カーソンシティの牧草地におけるエディタヒョウモンモドキ(Euphydryas editha)の隔離個体群が、畜牛牧場の経営によってその地域に導入された非在来植物ヘラオオバコ(Plantago lanceolata)への選好性を進化させ始めたことが明らかにされた。25年が経過し、今回M SingerとC Parmesanは、このチョウ個体群がこの外来植物に対して完全な依存性を進化させたことを報告している。2005年に牧場が閉鎖されると、周囲に繁茂したイネ科植物によってヘラオオバコは埋もれ、環境が冷却され幼虫が必要な熱を得られなくなったことで、この地域のチョウの個体群は絶滅した。その後、2013~2014年には従来の寄主を利用するエディタヒョウモンモドキが自然に再定着し、摂食対象も原点に立ち戻った。この知見は、自然個体群に対して致死的になりかねない「進化・生態学的わな」が、人間の活動によって意図せず生み出される可能性を例証しており、人間が手を加えた生息地の保全においてこうしたわなを考慮することの重要性を明らかにしている。

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