Nature ハイライト
		
		
        
		
		大気科学:変化する気候における大気中のオキシダントの存在量
Nature 546, 7656
メタンなどの還元性微量ガスの寿命は、オゾン(O3)やヒドロキシルラジカル(OH)などの対流圏オキシダントの存在量によって決まるが、気候変動に対する対流圏オキシダントの応答はあまり絞り込まれていない。今回、気候変動に対する対流圏オキシダントの感度を示す、グリーンランドの、最近の氷期–間氷期サイクルを含む期間に相当する氷床コアから得られた同位体データが報告されている。著者たちは、現行の予想とは正反対の、寒冷な気候におけるO3/HOx比の増大を見いだしており、これが反応性ハロゲン種の化学過程の増強か成層圏から対流圏へのO3輸送の強化、もしくはこれらの2つの過程の組み合わせによって生じている可能性を示唆している。急激な気候変動の期間における全球のメタンの変動を評価する際には、これらの過程を更に検討する必要がある。
2017年6月1日号の Nature ハイライト
- 神経科学:頭の向きを変えるニューロン
- 構造生物学:低温電子顕微鏡法により解かれたGPCRの構造
- 物性物理学:相転移材料は次の局面へ
- 原子物理学:高強度X線に対する超高速分子応答
- 大気科学:変化する気候における大気中のオキシダントの存在量
- 地球科学:地震発生帯の熱水圧力
- 微生物学:LamAが抗生物質耐性に果たす役割
- 細胞画像化:細胞小器官の相互作用をマッピング


