Nature ハイライト

気候変動生態学:気候に敏感な生態系が特定された

Nature 531, 7593

今回開発された「植生感受性指数(VSI)」の全球マップ。緑色の地域は感受性が比較的低く、赤色の地域は感受性が比較的高い。灰色は不毛な地域や氷で覆われている地域を示す。
今回開発された「植生感受性指数(VSI)」の全球マップ。緑色の地域は感受性が比較的低く、赤色の地域は感受性が比較的高い。灰色は不毛な地域や氷で覆われている地域を示す。 | 拡大する

Credit: Seddon et al.

気候変動研究における重要な課題の1つは、気候変動に対する感受性が最も高い生態系をどのようにして特定するかである。今回、2000年2月~2013年12月に収集されたMODIS衛星データを利用して、「植生感受性指数(vegetation sensitivity index)」という新しい指標が開発された。これは、気温、利用可能な水の量および雲量という3つの重要な気候変数からなる外部強制力に対する生態系の応答を評価する指標であり、これを利用すれば、生態系の復元力の状態を全球規模で高い空間分解能で捉えることができる。気候変動に対する感受性が増幅されている地域は、北極ツンドラ、北方林帯の一部、熱帯雨林、高山地域、中央アジアと南北アメリカのステップおよびプレーリー地域、南アメリカ東部のカーティンガ落葉樹林、オーストラリアの東部地域に認められた。

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