Nature ハイライト

植物科学:LURE1を追いかける多数の花粉管受容体

Nature 531, 7593

顕花植物では、胚珠内にある雌性配偶体は化学誘引性ペプチドを分泌して花粉管の伸長を誘導し、移動性の無い精子が雌性配偶体へと運ばれるようにしている。今週号では2つの論文が、モデル植物であるシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)を使って、雌側のこのような誘引物質LURE1に対する、雄側の受容体(花粉管細胞表面にある)の性質を明らかにしたことを報告している。W Yangたちは、LURE1が受容体様キナーゼ複合体でヘテロ二量体のMDIS1–MIKによって感知されることを示した。名古屋大学の東山哲也と武内秀憲は、花粉管特異的な受容体様キナーゼ6(PRK6)がLURE1の感知に必要であり、PRK6は他のPRKファミリー受容体と協調して機能していることを報告している。どちらの研究グループも、シロイヌナズナの姉妹種であるルベラナズナ(Capsella rubella)の花粉管にシロイヌナズナ受容体の構成要素であるMDIS1やPRK6を遺伝学的操作により発現させると、この2種の間の生殖隔離障壁が部分的に崩壊することを明らかにしている。

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