Nature ハイライト

進化生物学: 初期の脊椎動物の脳を見直す

Nature 531, 7592

脊椎動物の脳は、系統的に近い被嚢動物や頭索動物といった無脊椎動物の脳と比べてはるかに複雑であるため、その起源や発生についてさまざまな疑問が持たれている。祖先的な脊椎動物である無顎類のヤツメウナギも、原始的で「祖先的な」脳を持つと考えられており、特にヤツメウナギの胚は、内側基底核隆起(MGE)と呼ばれる構造が欠損したマウス変異体と似た特徴を持つとされていた。今回、倉谷滋(理化学研究所)たちは、ヤツメウナギと近縁のヌタウナギが、有顎の脊椎動物(顎口類)の脳と同様に、MGEおよび菱脳唇に相当する2つの領域を発生させることを明らかにした。また、ヤツメウナギを詳細に調べたところ、それらと同様の領域がヤツメウナギにもあることが分かった。これらの知見から、顎口類に見られる脳の領域化は、5億年以上前の円口類と顎口類の分岐よりも前に存在した、最も近い脊椎動物の共通祖先までさかのぼることが示唆された。

Letter p.97
doi: 10.1038/nature16518 | 日本語要約 | Full Text | PDF

2016年3月3日号の Nature ハイライト

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