Nature ハイライト

Cover Story:知的な試行錯誤学習アルゴリズムを使うことで、損傷を受けても数分以内にそれに適応できるロボット

Nature 521, 7553

研究に使われた6本脚ロボット(損傷を受けていない状態のもの)。
研究に使われた6本脚ロボット(損傷を受けていない状態のもの)。 | 拡大する

Credit: Antoine Cully/UPMC

表紙は、前側の右脚が壊れたロボットである。こうした損傷にもかかわらず歩き続けるため、このロボットは、これまでの経験(シミュレーションによる)に基づいて実験を行う「知的な試行錯誤」アルゴリズムを実行して、まだ機能する行動を見いだす。自律移動ロボットは、宇宙や深海、被災地などの遠く離れた環境や頼るもののない厳しい環境において非常に役に立つと考えられる。とりわけ難しい問題は、このようなロボットが損傷を受けた後に回復できるようにすることである。J Mouretたちは、損傷したロボットがその能力を迅速に取り戻して、課題を実行できるようにする機械学習アルゴリズムを開発した。ロボットは、脚が壊れたり失われたりといった損傷を被ると、知的な試行錯誤法を適用して計算を行い、良い成績が挙げられる可能性が高い行動を試みる。このような実験を少数回行った後、ロボットは損傷があっても機能する補償的行動を2分以内に見つけ出す。

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