Nature ハイライト

がん:MAD2L2/REV7はゲノムの完全性を促進する

Nature 521, 7553

DNAポリメラーゼζはREV3、REV7および会合因子のREV1から構成されており、損傷乗り越え合成に関わるタイプのDNA修復で働くことから、その作用は非常に変異を生じやすい。このDNA損傷応答について調べた2つの研究により、単独でゲノム完全性の維持を促進することができる因子として、REV7(別名MAD2L2)が明らかにされた。テロメア末端が二本鎖切断(DSB)として認識されて、不適切なDNA損傷応答が引き起こされることを防ぐ保護機構はいくつか知られている。今回、J Jacobsたちは、REV7/MAD2L2が5′末端の切除を阻害することで、脱保護されているテロメアや、放射線照射により誘導されたDSBでの相同性依存的な修復を抑制することを明らかにした。その結果、末端は非相同末端結合経路へ入ることになる。S Rottenbergたちは、PARP阻害剤に対する耐性の獲得について調べ、同様の結論に至っている。彼らは、BRCA欠失細胞で、また免疫グロブリンクラススイッチ組換えの際に、REV7/MAD2L2が経路選択を指示することを見いだした。

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