Nature ハイライト

地球化学:地球と月への後期集積

Nature 520, 7548

月岩石内のタングステン(W)同位体組成の精密測定が、2つの研究グループから報告された。これらの測定結果は、地球と月の組成は月形成直後には似ていたが、この2つの天体への物質の後期集積が偏っていたために、その後になって差が生じたと考えればうまく説明できる。M Touboulたちは、アポロ16号の試料であるKREEPに富んだ2つの衝突溶融岩から抽出された金属では、182W量が現在の地球マントルよりわずかに(約21 ppm)多いことを見いだした。一方で、T Kruijerたちは、さまざまな宇宙線照射年代のKREEPに富んだ7つの岩石試料のW同位体について測定を行い、182Wが現在の地球マントルより約27 ppm多いことを示している。

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