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構造生物学:NMDA受容体の小孔の構造

Nature 511, 7508

グルタミン酸は、中枢神経系における主要な興奮性神経伝達物質であり、イオンチャネル型と代謝型のグルタミン酸受容体に作用する。イオンチャネル型グルタミン酸受容体は、グルタミン酸の結合により膜貫通イオンチャネルを開くことで機能する。E Gouauxたちは今回、グリシンと結合するGluN1サブユニットとグルタミン酸と結合するGluN2サブユニットからなるヘテロ四量体である、GluN1–GluN2B N-メチル-D-アスパラギン酸(NMDA)受容体のX線結晶構造を報告している。受容体の活性化により陽イオン選択的なカルシウム透過性チャネルが開き、それによって細胞膜のさらなる脱分極とカルシウムの流入が起こる。この膜タンパク質の構造は、アロステリック阻害剤Ro25-6981やチャネル遮断薬MK-801、そして2つの部分アゴニストとの複合体の形で得られた。この膜タンパク質の全体構造はキノコ型で、GluN1とGluN2Bサブユニットが、二量体の二量体として1-2-1-2という様式で配置されている。

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