Nature ハイライト

構造生物学:HIV-1 Vifタンパク質の作用機序

Nature 505, 7482

ヒト免疫不全ウイルス1型(HIV-1)の感染の際に、ウイルスタンパク質であるVifはCBF-β(core-binding factor subunit β)とE3リガーゼ複合体であるCUL5–ELOB–ELOCを同時に乗っ取ることで宿主の抗ウイルス因子の活性を阻害する。だが、この阻害がどのようにして起こるのか、その仕組みは不明であった。今回Z Huangたちは、Vif–CBF-β–CUL5–ELOB–ELOC複合体の結晶構造を決定し、VifがSOCS2とよく似たやり方でCUL5およびELOCと相互作用することを見いだした。Vifタンパク質はHIV-1複製に不可欠であるため、抗ウイルス薬開発のための重要な標的となる。またその作用機序の詳細が今回報告されたことは、Vifとこの五量体複合体の両方を標的とできる新規薬剤の設計に役立ちそうだ。

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