Nature ハイライト

化学:複雑な有機合成のための新たな代替案

Nature 505, 7482

これまで有機合成化学の分野では、炭素–炭素結合や炭素–ヘテロ原子結合を注意深く制御して作製することにより、新しく興味深い分子骨格を生み出そうとしてきた。だが、別の方法もある。今回、I Marekたちは、新規分子骨格を合成するのに、結合の選択的開裂も使用できることを実証している。彼らの手法は、1つの有機金属試薬を用いて、アリルC–H結合とC–C結合の連続活性化反応を経て、複雑な分子骨格を構築するというものである。得られる二官能性求核種は全炭素4級立体中心を持っており、2種類の求電子剤を加えてさらに誘導体化することにより、もっと複雑な分子を合成できる。

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