Letter
構造生物学:HIV-1 VifによるCBF-βおよびCUL5 E3リガーゼ複合体乗っ取りの構造的基盤
Nature 505, 7482 doi: 10.1038/nature12884
ヒト免疫不全ウイルス1型(HIV-1)のVifタンパク質は、宿主の自然防御の中和に中心的役割を果たしており、細胞のプロテアソーム分解経路を乗っ取ることで宿主の制限因子の抗ウイルス活性を妨害する。しかしながら、Vifがこうした妨害を達成するための基盤となる機序は明らかになっていない。今回我々は、Vif–CBF-β–CUL5–ELOB–ELOC複合体の結晶構造を報告する。この構造から、Vifが2つのドメインを使って、CBF-β、CUL5およびELOCと相互作用して五量体複合体を統合・形成することが明らかになった。Vifの大きい方のドメイン(α/βドメイン)は、CBF-βのRUNX1と同じ側に結合し、これはVifとRUNX1のどちらかがCBF-βと結合すれば、もう一方は結合できないという排他性を示している。Vifの小さい方のドメイン(αドメイン)とELOCおよびCUL5との相互作用は協同的で、SOCS2とELOCおよびCUL5との相互作用と類似している。大小2つのVifドメインの間に位置するVifに独特なジンクフィンガーモチーフは他のタンパク質とは接触していないが、αドメインのコンホメーションを安定化していて、Vif–CUL5相互作用に重要であると予想される。総合すると我々の結果は、CBF-βとCUL5 E3リガーゼ複合体のVifによる乗っ取りの構造的基盤を明らかにし、新規抗HIV薬の合理的設計のための基盤を提供している。

