Nature ハイライト

分子生物学:非コードRNAがDNAメチル化を妨げる

Nature 503, 7476

DNAメチル化はエピジェネティックなDNA修飾の1つで、遺伝子発現のサイレンシングに関わっている。今回D Tenenたちは、転写の活性状態が直接、DNAメチル化レベルを調節しているという説を提唱している。詳細に研究されているメチル化感受性遺伝子CEBPAから非コードRNAが作られ、これがDNAメチルトランスフェラーゼDNMT1と相互作用してCEBPA遺伝子座のメチル化を妨げることで、CEBPAの発現を促進することが分かったからだ。DNMT1とRNAのこうした機能的相互作用は、さまざまな遺伝子座で起こっているらしい。今回の知見は、非コードRNAがDNMT1と相互作用することでゲノムのメチル化パターン調節に関与しているという説を裏付けており、DNAメチル化の異常を部位特異的に修正するという治療戦略が可能なことを示唆している。

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