Nature ハイライト

物理:通信中に姿を隠すメッセージ

Nature 498, 7453

光シグナル処理システムに時間ギャップを生成して、孤立した事象を検出できなくする「時間クローク」についての先駆的な論文が、Natureに昨年発表された。そして今回、この概念をさらに進めて、通信データ転送速度で連続的な事象ストリームを隠すことができるシステムが構築された。A Weinerたちは、光学における自己結像タルボ効果に類似した時間領域での効果を利用して、一連の「時間の穴」を生成した。自己結像タルボ効果では、回折格子へ入射する平面波によって、規則的な間隔で回折格子の像が繰り返し形成される。標準的な光通信部品を使って、時間軸のほぼ半分を隠し得ることが示され、セキュアアプリケーションにおける現実世界のメッセージを隠すことができる可能性がある速度で、疑似乱数のデジタルデータが隠されている。

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