Nature ハイライト

化学:メタノール経済を促進する触媒

Nature 495, 7439

新たに開発されたルテニウム錯体触媒の結晶。
新たに開発されたルテニウム錯体触媒の結晶。 | 拡大する

Credit: Barbara Heller, LIKAT

水素は、PEM(プロトン交換膜)燃料電池によって容易にエネルギーに変換される。ところが、輸送と貯蔵が不便なため、「水素経済」への関心はあまり高まっていない。メタノールを使えば、こうした問題を解決できるかもしれない。メタノールは12.6%が水素で、室温で液体なので取り扱いやすいからだ。M Bellerたちは、ルテニウム錯体を触媒として用いた高効率水相メタノール脱水素化プロセスについて報告している。このプロセスによって、実用的な水素貯蔵・配送システムの基盤が形成される可能性がある。重要なのは、反応が95°C以下でしかも常圧で進むため、PEM燃料電池にメタノールを直接使用できることである。

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