Nature ハイライト

宇宙:アンドロメダ銀河の超高光度X線源

Nature 493, 7431

超高光度X線源、すなわちULXは、その光度がきわめて高い理由を満足に説明できていないため、議論の対象となっている天体である。今回、M Middletonたちは、近傍のM31アンドロメダ銀河に新しく見つかった明るいX線源を、電波とX線で観測した結果を報告している。このX線源の電波領域での光度はきわめて高く、数十分の時間スケールで変動していることから、恒星質量ブラックホールへの降着によってエネルギーが供給される非常にコンパクトなX線源であり、その降着率が、物質の流入率の理論的上限であるエディントン限界に近いことが示唆される。最新の高感度電波望遠鏡を用いて近傍銀河のトランジェントなULX系を今後観測すれば、降着流と強力なジェット放射との因果関係が明らかになりそうだ。

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