Nature ハイライト

行動:ショウジョウバエの試行錯誤学習

Nature 489, 7414

ショウジョウバエの求愛行動は、複雑な生得行動を引き起こす神経回路と分子機構を解明するための主要なモデルとなっている。若い雄のハエは、近くにいる雌を最初は区別なく追うが、まもなく雄フェロモンのcVA(cis-vaccenyl acetate)のにおいのする雌は避けることを学習する。このにおいは、雌がすでに交尾していることの証拠だからである。今回、この学習が、cVAと交尾拒絶とを任意に連合する古典的パブロフ条件付けには当てはまらないことがわかった。この回避は、雄が生来持つcVA感受性が増強された結果であり、ドーパミン作動性ニューロンの小さな回路によって制御されている。この結果は、感覚統合や微妙な意思決定にかかわるより込み入った学習則の研究への道を開くものだ。

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