Nature ハイライト

細胞:がん幹細胞のニッチを標的に

Nature 478, 7369

皮膚乳頭腫のマウスモデルでの実験から、腫瘍の血管構造は血液を供給するだけではなく、がん幹細胞を支える血管ニッチ環境としても機能することが示された。腫瘍細胞による血管内皮増殖因子(VEGF)の発現は血管形成に重要だが、これはVEGF受容体を介してオートクリン様式でも作用し、受容体を介してがん幹細胞の自己複製分裂を促進する。Nrp1を欠失させるとVEGFの腫瘍形成促進能が阻害されるので、Nrp1は皮膚がんの治療標的として実用可能かもしれない。

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