Nature ハイライト

構造生物学:胆汁酸輸送体の構造

Nature 478, 7369

コレステロール濃度の上昇は、アテローム性動脈硬化症や心血管疾患のリスクを著しく増大させる。コレステロールは胆汁酸へ変換された後に体から排出されるので、腸で胆汁酸を再吸収する頂端側ナトリウム依存性胆汁酸輸送体(ASBT)は、コレステロール低下療法の主要な薬剤標的である。ASBTの細菌ホモログの、基質である胆汁酸を結合した状態のX線結晶構造が今回決定された。基質(タウロコール酸)は、タンパク質の「コア」と「パネル」ドメインの間の大きな疎水性の空洞中に見いだされ、この重要な生体分子の輸送機構を示唆している。

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