Nature ハイライト

宇宙:天の川の乱流

Nature 478, 7368

乱流は、気象学から心臓学までさまざまな分野でよく研究されている現象だが、宇宙物理学での乱流は15桁にわたる範囲のスケールで作用し、現行の理論をその限界まで押し広げることになる。星間乱流についてのこれまでの知見は、乱流運動に付随する小規模スケールの構造が画像化できないことで制限されていた。今回、星間ガスの乱流を初めて直接とらえた画像が示された。Gaenslerたちは、オーストラリアコンパクト電波干渉計によって銀河面の一画を観測し、その電波連続波画像を用いて、ストークスベクトル(Q,U)の勾配から、希薄なイオン化ガス中の磁化した乱流の画像を得たことを報告している。乱流はガス密度と磁場の不連続で複雑なフィラメント状網目構造として見られる。イオン化した暖かい媒質中の乱流は、ほぼマッハ2という比較的低いマッハ数を有している。

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