Nature ハイライト

構造生物学:ミトコンドリアのポリメラーゼ

Nature 478, 7368

ミトコンドリアゲノムの転写は、単一サブユニットからなるRNAポリメラーゼ(mtRNAP)により行われ、mtRNAPはバクテリオファージT7のRNAPの遠縁に当たる。T7のRNAPと異なり、mtRNAPは転写開始にTFAMとTFB2Mという余分な転写因子を必要とする。ヒトmtRNAPの結晶構造が今回決定され、新規のドメインに加えて、TFAMとTFB2Mがなぜ必要なのか、その説明となる機構的な適応が明らかになった。これらの知見から、それ自体だけで完全に機能する簡単な酵素から、大きな多サブユニット複合体へのポリメラーゼの進化についての手がかりが与えられる。

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