Nature ハイライト

医学:キヌレニンによる腫瘍形成促進

Nature 478, 7368

インドールアミン-2,3–ジオキシゲナーゼによるトリプトファン分解と、トリプトファン分解産物のキヌレニン(Kyn)は、抗腫瘍免疫応答の抑制にかかわると以前から考えられてきた。M Plattenたちは、トリプトファン-2,3–ジオキシゲナーゼ(TDO)がグリオーマなどのがんで発現して、トリプトファンをKynに変換している酵素であることを明らかにしている。Kynはアリール炭化水素受容体(AHR)の内在性リガンドで、グリオーマ細胞に直接作用して腫瘍形成を促進する。がん細胞でのTDOの発現はAHRを介する免疫応答も抑制する。ヒトのグリア芽腫では、TDOとAHRに調節される遺伝子群の発現が、より進んだ進行期や臨床予後の悪さと相関している。

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