Nature ハイライト

進化:マイクロRNAは初期の後生動物で生じた

Nature 455, 7217

1993年に線虫(Caenorhabditis elegans)で発見された小型の抑制性RNA分子であるマイクロRNAは、複雑な体制をもつ動物に広く存在している。マイクロRNAは、動物が左右相称性を発達させ、体制を複雑化して前後端と上下端をもつようになっていったときに、遺伝子発現を微調整する方法の1つとして生じたものだと考えられてきた。しかし新しい研究によって、3種類の原始的な後生動物門(板形動物、海綿動物、イソギンチャク[刺胞動物])に属する動物、および単細胞動物である襟鞭毛虫で総RNAの塩基配列が解読され、マイクロRNAの起源は考えられていたよりもはるかに古いことが示唆された。調節性マイクロRNA経路は後生動物の進化のごく初期(多細胞生物が出現したころ)に生じ、その後一部の系統で失われたと考えられる。

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