Nature ハイライト

腫瘍: GSK-3はがん化を促進する

Nature 455, 7217

セリン/トレオニンプロテインキナーゼであるGSK-3(グリコーゲンシンターゼキナーゼ3)は、グリコーゲンの産生やアポトーシス、幹細胞の維持などにかかわる多くのシグナル経路の一部である。これらの経路の中にはヒトの疾患との関連が示されたものもあり、GSK-3阻害剤は、糖尿病やアルツハイマー病に対する治療薬になると考えられている。今回、GSK-3が急性白血病の進行を助けるという、これまで予想されなかった役割をもつことがわかった。これは、一部のがんで活性化しているシグナル経路を抑制するというGSK-3の既知の役割に基づく予測とは、全く反対である。矛盾するようだが、GSK-3はがん遺伝子であるMLL(mixed-lineage leukaemia)に起因する、白血病の独特な遺伝的サブタイプにかかわっている。MLL白血病のマウスモデルでGSK-3を阻害するとがんの進行が抑制されたことは、GSK-3がまさに薬剤標的候補であることを示唆している。

2008年10月30日号の Nature ハイライト

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