Nature ハイライト

細胞:プリオンの作用は分割で決まる

Nature 442, 7102

同じプリオンタンパク質の粒子が、in vivoでは異なる表現型、すなわち「株」を作り出すことがある。この矛盾するようにみえる現象は、通常、プリオンのコンホメーションの違いによって説明される。田中元雅たちは、酵母中のプリオンとプリオン粒子の種々の物理パラメーターとが、どのように相互作用して特定のプリオン株が生じるかを記述する解析モデルを示した。彼らの実験から、最も強力な表現型は、ゆっくり成長しながらプリオン分割を促すもろさを増していく粒子によって生み出されることが明らかになった。プリオン粒子が壊れ、さらなる成長のための新しい「種」を生み出す傾向をもつことは、感染性(プリオン)のアミロイドと非感染性のアミロイドのどちらにとっても、宿主に対する大きな生理学的効果を決める重要な因子であるらしい。

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