Nature ハイライト

環境:日光が分解を促進する

Nature 442, 7102

陸上生態系における有機物分解の主要な要因は生物学的過程であり、UV-B放射による分解のような非生物学的過程の役割は小さいと考えられている。だが、パタゴニアの半乾燥ステップでの研究によれば、そうとも言い切れないようだ。今回、炭素回転に大きな影響を及ぼしているのは太陽光であることが突き止められた。全太陽光またはUV-B放射を遮断すると、落葉落枝の分解速度が大幅に低下した一方で、土壌中の生物を減少させても不足土壌資源を添加してもなんら影響が認められなかった。この結果は、炭素循環のバイパスの存在を示唆しており、一次生産の相当部分は土壌有機物プール経由の循環によらずに、光分解で大気中に放出されていると考えられる。地球の陸表面は約40パーセントが砂漠であり、オゾンの減少や雲量などの日射量を左右する全地球的な変化は、炭素貯蔵量に大きな影響を与える可能性がある。

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