Nature ハイライト

エネルギー科学:採取できない化石燃料

Nature 597, 7875

地球温暖化を産業革命前と比べて1.5°Cに制限する取り組みを追求するというパリ協定の誓約にもかかわらず、化石燃料はエネルギーシステムを支配し続けている。今回D Welsbyたちは、世界エネルギーシステムモデルを用いて、1.5°Cの炭素収支内にとどまる可能性を50%にするには、石油と化石メタンガスの60%近くと石炭の90%を地中にとどめておくべきであることを見いだしている。著者たちはまた、全世界で石油とガスの生産を2050年まで毎年3%削減する必要があると見積もっており、これに則すれば、現在進行中あるいは今後計画されている化石燃料プロジェクトの多くは実行できなくなる。

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