Nature ハイライト

ナノフォトニクス:自己集合によるカシミール微小共振器

Nature 597, 7875

微小共振器は、間隔がマイクロメートルオーダーの2枚の高反射ミラーによって形成され、これによって、強い光閉じ込めや、共振器内部の材料との光–物質相互作用が可能になっている。微小共振器の作製に必要なナノ構造の微細加工工程や組み立て工程には、複雑な実験設定が必要になる場合がある。こうした中、T Shegaiたちは今回、ナノスケールの金の薄片であるナノフレークにおいて、上のフレークが下のフレークの上に接触せずに「浮揚」して安定な対を形成するのを観察し、微小共振器が溶液中で自己集合によって形成されることを報告している。ナノフレークによって作られた微小共振器の安定性は、カシミール引力と静電反発力の間の平衡に基づいている。この平衡は、さまざまな手段によって制御でき、得られた調整可能な微小共振器によって、共振器がもたらす用途に新たな機会が得られる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度