Nature ハイライト

天文学:うみへび座TW星の磁気圏降着領域

Nature 584, 7822

降着を受けている星の表面には、その星の磁場によって物質が注ぎ込まれると考えられている。これについては、いくつかの間接的な証拠が存在する。おうし座T型星の放射源は、磁気圏が大きいので、解像が容易になるはずである。今回GRAVITYコンソーシアムのR Lopezたちは、可視光長基線干渉計を用いて、おうし座T型星であるうみへび座TW星の内側の円盤を空間的に解像し、この星における磁気圏降着領域のサイズを決定している。水素の近赤外輝線は、星の半径の約3.5倍の領域から生じており、この領域は、塵に富む円盤の連続スペクトルを放射している領域(恒星半径の7倍の範囲)と共回転半径の内側である。これは、水素輝線の起源が、はるかに大きな距離(1天文単位以上)から放出される円盤風ではなく、磁気圏降着モデルで予想されるような降着柱であることを示している。

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