Nature ハイライト

細胞生物学:膜内シャペロン複合体は膜タンパク質のバイオジェネシスを促進する

Nature 584, 7822

膜内在性タンパク質は、膜貫通ドメイン(TMD)を複数持つものがかなりの割合を占めている。このような複数回膜貫通型膜タンパク質は、シグナル伝達をはじめ、分子に結合し細胞膜を通過して輸送するなど、多様な機能を担っている。複数回膜貫通型膜タンパク質の個々のTMDは翻訳と同時に小胞体膜へと挿入される。ずっと以前から、小胞体膜内にはシャペロンが存在し、新生TMDが正しく折りたたまれて組み立てられるまで、一時的に保持すると考えられてきた。今回P ChitwoodとR Hegdeは、小胞膜に存在して新生TMDと直接結合するシャペロン複合体の1つを明らかにしている。このシャペロン複合体を破壊すると、数多くの複数回膜貫通型膜タンパク質に影響が及ぶが、1回貫通型膜タンパク質には影響が見られない。これらの知見は、これまでほとんど解明されていなかった複数回膜貫通型膜タンパク質のバイオジェネシスへの新しい手掛かりとなるだろう。

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