天文学:うみへび座TW星における磁気圏降着領域のサイズの計測
Nature 584, 7822 doi: 10.1038/s41586-020-2613-1
星は、その周囲の円盤から物質を降着させることによって形成される。円盤の中を流れている物質が星の磁場によってその表面へ運ばれる、という考え方は広く受け入れられている。この磁場は、円盤が恒星と同じ速度で回転している共回転半径付近において円盤を断ち切るのに十分強力であると考えられている。分光干渉計による若い星状天体の研究では、水素の輝線(降着の活発さを示すよく知られたトレーサー)の大半が、塵が昇華する半径内に位置することの多い、数ミリ秒角にわたって広がる領域から生じていることが示されている。水素輝線の起源は、星の磁気圏、回転する風、あるいは円盤である可能性がある。中間質量のハービッグAe/Be型星では、ブラケットγ(Brγ)輝線が空間的に解像されるという事実から、輝線の大半が磁気圏に由来するという可能性は除外される。これは、こうした放射源で検出されている弱い(10分の数ガウスの)磁場は、非常にコンパクトな磁気圏をもたらすためである。おうし座T型星の放射源の場合、その磁気圏はより大きいため、解像がより容易になるはずである。しかし、風が存在するとともに磁気圏の角サイズが小さい(10分の数ミリ秒)ため、観測結果の解釈が難しくなっている。本論文では、おうし座T型星であるうみへび座TW星の内側の円盤を空間的に解像する、可視光長基線干渉計による観測結果について報告する。我々は、近赤外の水素輝線が、星の半径の約3.5倍の範囲に由来することを見いだした。この領域は、塵に富む円盤の連続スペクトル放射領域(星の半径の7倍の範囲)の内側にあり、その2倍の大きさの共回転半径の内側でもある。これは、水素輝線の起源が、はるかに大きな距離(1天文単位以上)から放出される円盤風ではなく、磁気圏降着モデルで予想されるような降着柱(星へ降着している物質のファンネルフロー)にあることを示唆している。

