Nature ハイライト

遺伝学:全身性エリテマトーデスとシェーグレン症候群の性特異的な影響における補体C4の役割

Nature 582, 7813

全身性エリテマトーデス(SLE)とシェーグレン症候群(SjS)は原因不明の消耗性自己免疫疾患である。両疾患のリスクに及ぼす、共通した最大の遺伝的影響は、主要組織適合遺伝子複合体(MHC)座位から生じる。S McCarrollたちは今回、この影響がこれまでに考えられていたHLAの抗原特異的変動から生じるのではなく、補体第4成分(C4)遺伝子のC4AおよびC4Bのコピー数によって、よりよく説明されることを見いだしている。この結果から、SLEとSjSのリスクが、損傷した細胞由来の残屑に含まれる多くの自己抗原候補と免疫系との慢性的で持続的な相互作用から生じることが示唆された。この研究ではまた、C4遺伝子の変動に対する強力な性特異的影響のパターンが特定され、SLEやSjSの他にも、統合失調症と関連することが知られている性差について有力な説明が示されている。

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