Volume 558 Number 7711

Editorials

ハンガリーの科学研究は過渡期にあるが、政府は今後も、能力を適正に評価して資金を分配するという原則を維持していくべきだ。

Worrying changes in Hungary p.485

doi: 10.1038/d41586-018-05526-x

アジアの5つの研究拠点は、各地域のコミュニティーのニーズに独自の方法で取り組むことにより、成功を収めている。

Five centres of Asian research show the benefit of local science p.485

doi: 10.1038/d41586-018-05524-z

今週号を最後にNatureのEditor in Chiefを退くPhilip Campbellからのメッセージ。

Nature editor bids farewell p.486

doi: 10.1038/d41586-018-05525-y

News

夏季モンスーンの時期における降雨量の変動の謎に迫るため、インド洋で海上と空からこれまでで最も詳細なデータの収集が。

Mysteries of Indian monsoon probed in Bay of Bengal p.493

doi: 10.1038/d41586-018-05492-4

米国と中国の貿易戦争が、両国の科学研究にも悪影響を。

US–Chinese trade war puts scientists in the cross hairs p.494

doi: 10.1038/d41586-018-05521-2

日本の探査機はやぶさ2号が、小惑星リュウグウに到達。

Daring Japanese mission reaches unexplored asteroid Ryugu p.495

doi: 10.1038/d41586-018-05544-9

米国の石油・天然ガス業界によるメタン漏出量は、公式推定値よりもかなり大きいことが明らかに。

Methane leaks from US gas fields dwarf government estimates p.496

doi: 10.1038/d41586-018-05517-y

遺伝子改変細菌を使った治療法の臨床試験が続々と。

Genetically modified bacteria enlisted in fight against disease p.497

doi: 10.1038/d41586-018-05476-4

News Features

東アジアの科学研究のハブ

Five hubs of Asian science p.499

香港、マレーシア、シンガポール、韓国、台湾の成長著しい科学研究の状況について紹介する。

doi: 10.1038/d41586-018-05504-3

数字で見るアジアの研究拠点

Science in East Asia — by the numbers p.500

5つのハブでは、研究開発への重点的な投資が確実に成長につながっている。

doi: 10.1038/d41586-018-05505-2

東アジア科学界のスターたち

Science stars of East Asia p.502

AIから感染症まで、世界の舞台で大きなインパクトをもたらしている10人の東アジアの科学者たちを紹介する。

doi: 10.1038/d41586-018-05506-1

News & Views

惑星科学:急速に形成された火星の地殻

Planetary science: Mars beat Earth in the race for habitable conditions p.522

今回、火星からの隕石物質の分析によって、火星初期の歴史の正確なタイムラインが得られた。この結果は、岩石惑星の形成に関与する過程の解明に大きな影響を及ぼす。

doi: 10.1038/d41586-018-05496-0

医学研究:過成長症候群に挑む抗がん剤

Medical research: Lessons for cancer drug treatment from tackling a non-cancerous overgrowth syndrome p.523

酵素PI3Kの異常な活性は、がんの増殖を促進することがあり、PI3Kサブユニットの変異は非がん性過成長につながることがある。今回、PI3Kを阻害する抗がん剤が、こうした過成長を劇的に抑制することが分かった。

doi: 10.1038/d41586-018-05365-w

量子ナノ科学:直立した分子から得られた分子軌道に関する知見

Quantum nanoscience: Upstanding molecule reveals orbital wavefunction p.525

今回、金属表面に直立した分子が、印加電場の存在下で電子を放出することが分かった。放出された電子は、古典的な物理実験によく似た干渉パターンを作る。

doi: 10.1038/d41586-018-05502-5

医学研究:がんに関連する体重減少について考える

Medical research: Weighing in on weight loss in pancreatic cancer p.526

膵臓がんでは、体重減少と組織消耗が生じることが多い。今回、ヒトとマウスのデータを解析して、こうした事象の背後にある機構が明らかになり、組織の消耗ががん生存率に影響を及ぼすかどうかに疑問が生じている。

doi: 10.1038/d41586-018-05424-2

回顧:ネットワーク科学の20年

In retrospect: Twenty years of network science p.528

世界中の全ての人々がたった六次の隔たりでつながっているという考えは、20年前に「スモールワールド」ネットワークモデルによって説明された。当初は限定的なものと思われたこの知見は、後に広範な分野に大きく影響することが明らかになり、学際的分野としてのネットワーク科学の確立につながった。

doi: 10.1038/d41586-018-05444-y

構造生物学:受容体の信号伝達の複雑な話

Structural biology: How the ubiquitous GPCR receptor family selectively activates signalling pathways p.529

Gタンパク質共役受容体は、さまざまなタイプのGタンパク質を活性化して、多様なシグナル伝達経路を活性化する。今回、4種類の受容体–Gタンパク質複合体の構造によって、この選択性が浮き彫りになった。

doi: 10.1038/d41586-018-05503-4

Review

生態生理学:干ばつ下における高木枯死の引き金

Triggers of tree mortality under drought p.531

doi: 10.1038/s41586-018-0240-x

Articles

医学研究:PIK3CA関連過成長症候群患者の標的治療

Targeted therapy in patients with PIK3CA-related overgrowth syndrome p.540

doi: 10.1038/s41586-018-0217-9

構造生物学:μオピオイド受容体–Giタンパク質複合体の構造

Structure of the µ-opioid receptor–Gi protein complex p.547

doi: 10.1038/s41586-018-0219-7

構造生物学:抑制性Gタンパク質と結合したヒトロドプシンのクライオ電子顕微鏡構造

Cryo-EM structure of human rhodopsin bound to an inhibitory G protein p.553

doi: 10.1038/s41586-018-0215-y

構造生物学:アデノシンと結合したヒトアデノシンA1受容体とGiからなる複合体の構造

Structure of the adenosine-bound human adenosine A1 receptor–Gi complex p.559

doi: 10.1038/s41586-018-0236-6

Letters

天文学:エンセラダスの深部を起源とする高分子有機化合物

Macromolecular organic compounds from the depths of Enceladus p.564

doi: 10.1038/s41586-018-0246-4

光物理学:回転する共振器上で浮上するカプラーによって生成される不可逆的屈折

Flying couplers above spinning resonators generate irreversible refraction p.569

doi: 10.1038/s41586-018-0245-5

量子ナノ科学:単一の電界放出電子源としての自立分子

A standing molecule as a single-electron field emitter p.573

doi: 10.1038/s41586-018-0223-y

ナノスケール材料:界面活性剤ミセルによって誘導される対称性の高い極小無機ケージの自己集合

Self-assembly of highly symmetrical, ultrasmall inorganic cages directed by surfactant micelles p.577

doi: 10.1038/s41586-018-0221-0

化学:キラルな過渡的メディエーターを介したエナンチオ選択的なメタ位C–Hの遠隔アリール化とアルキル化

Enantioselective remote meta-C–H arylation and alkylation via a chiral transient mediator p.581

doi: 10.1038/s41586-018-0220-1

惑星科学:火星の極めて急速なマグマオーシャン結晶化と地殻形成の証拠

Evidence for extremely rapid magma ocean crystallization and crust formation on Mars p.586

doi: 10.1038/s41586-018-0222-z

神経科学:逃避決定を計算するためのシナプス閾値機構

A synaptic threshold mechanism for computing escape decisions p.590

doi: 10.1038/s41586-018-0244-6

微生物学:機能的メタゲノム解析により発見された豊富に存在する微生物由来ロドプシンの新たなグループ

A distinct abundant group of microbial rhodopsins discovered using functional metagenomics p.595

doi: 10.1038/s41586-018-0225-9

医学研究:初期の膵臓がんでは外分泌機能の変化が脂肪組織の消耗を促進し得る

Altered exocrine function can drive adipose wasting in early pancreatic cancer p.600

doi: 10.1038/s41586-018-0235-7

がん:コドン特異的翻訳の再プログラム化は標的治療への抵抗性を促進する

Codon-specific translation reprogramming promotes resistance to targeted therapy p.605

doi: 10.1038/s41586-018-0243-7

生化学:ヒトゲノムにコードされた天然の抗ウイルスリボヌクレオチド

A naturally occurring antiviral ribonucleotide encoded by the human genome p.610

doi: 10.1038/s41586-018-0238-4

分子生物学:RNAiとヒストンH3K9メチル化の共役によって仲介されるエピジェネティックな遺伝

Epigenetic inheritance mediated by coupling of RNAi and histone H3K9 methylation p.615

doi: 10.1038/s41586-018-0239-3

構造生物学:ヘテロ三量体Goと共役したセロトニン5HT1B受容体のクライオ電子顕微鏡構造

Cryo-EM structure of the serotonin 5-HT1B receptor coupled to heterotrimeric Go p.620

doi: 10.1038/s41586-018-0241-9

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