【古生物学】7500万年前の恐竜の骨化石に保存されていた細胞
Nature Communications
2015年6月10日
赤血球とコラーゲン類似の繊維と思われる構造が7500万年前の白亜紀の恐竜の骨化石において同定されたという報告が、今週掲載される。今回の発見は、これまで考えられていたよりもはるかに多くの化石中に有機質構造が残っている可能性を示唆している。
これまで軟組織の成分(例えば、細胞やタンパク質類似の分子のように見える構造)が何千万年も前の化石から発見されているが、保存状態が極めて良好な化石標本の場合だけであり、そうした成分なのかどうかについても論争がある。タンパク質分子は比較的短期間で分解して400万年以上は保存されないため、元のタンパク質は一部しか保存されず、構造全体は保持されないと、これまで長い間考えられてきた。
今回、Sergio Bertazzo、Susannah Maidmentの研究グループは、極めて良好な保存状態とはいえない白亜紀の恐竜の骨化石標本(8点)から有機質構造を発見したことを報告している。これらの化石標本の一部には、核のある赤血球と考えられる構造が含まれており、質量分析計で調べたところ、エミューの血液に似たプロファイルを示した。これ以外にも構造タンパク質であるコラーゲンを含むと考えられる構造が発見された。この構造は、ロープ状にねじれたコラーゲンの特徴的な分子構造を有し、コラーゲンの構成アミノ酸の断片も含まれていた。以上の新知見は、たとえ保存状態の良くない化石であっても分子解析を行う価値がある可能性を示唆している。地質学的時間スケールにわたってタンパク質が保存されていれば、大昔に絶滅した動物の生理と行動を調べられるかもしれない。
doi:10.1038/ncomms8352
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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