Cover Story: 青い雷光:国際宇宙ステーションからの観測で得られたブルージェットの性質の手掛かり
Nature 589, 7842 (2021年1月21日)
表紙は、国際宇宙ステーションから観測されたブルージェットの想像図である。ブルージェットは、雷雲の雲頂から上方へ成層圏に向かう雷光の一種である。持続時間が1 s未満であるため、ブルージェットの特徴はよく分かっておらず、これがどのよう形成されるかについては議論が分かれている。今回T Neubertたちは、国際宇宙ステーションに搭載された観測機器によって集められたブルージェットの観測結果について報告している。彼らは、こうした事象の鮮明な画像を用いて、約10 μs継続する雲頂の青い閃光からブルージェットが始まることを見いだした。さらに著者たちは、おそらくこの閃光が、雲内の雷光を生じさせることのできる電波の負のNBP(narrow bipolar pulse)に相当する、可視光領域のパルスであると判断している。