Nature

Cover Story: 食糧の予測:気候変動とその適応策は世界の農業にどのような影響を及ぼすか

Nature 642, 8068 (2025年6月19日)

表紙は、エジプトの西方砂漠にある円形の灌漑地の衛星画像である。こうした土地改良は、気候変動が農業や土地利用に与える影響を緩和するために採用できる、多くの戦略の1つである。だが、温暖化する気候において適応が食糧システムにどう影響するかはよく分かっておらず、既存のモデルは地域ごとに焦点を絞ったものであるため、矛盾する結果が得られている。今週号ではA Hultgrenたちが、世界の6種類の主要作物に関するデータを統合した新たなモデルを紹介している。研究チームは、トウモロコシ、ダイズ、イネ、コムギ、キャッサバ、モロコシに的を絞り、55カ国の1万2658の地域からのデータに基づいて、生産者の適応が今後100年の食糧生産に及ぼす影響を推定した。その結果、気温が1 ℃上昇するごとに、現在の食糧生産量は1人1日当たり120 kcalの減産が見込まれる一方、所得の増加や適応戦略によって、2050年までに世界の損失の23%、2100年までには世界の損失の34%が回避できると見積もられた。

今週の目次とハイライト The Nature Top Ten バックナンバー

Nature注目のハイライト

その他のハイライト

Nature 創刊150周年記念特集

Nature ダイジェスト

Nature は次に何をすべきか

2020年4月号

Nature が150周年を迎えたのを機に、その価値観と、Nature を改善する方法について考えることにした私たちは、読者の意見をどうしても聞きたくて、アンケート調査を実施しました。

イベントレポート

日本の科学の未来
― 持続可能な開発目標の達成に向けたビジョン ―

1869年創刊のNature は今年150周年を迎える。これを記念するシンポジウムが東京大学安田講堂で開催され、日本の科学のトップランナーである大隅良典氏、柳沢正史氏や、Nature 編集長のMagdalena Skipperらが集った。日本の科学の未来を各氏はどう見ているか。自らの研究や体験をもとに語り、意見が交換された。

Nature 創刊150周年記念特集

著者インタビュー

柳沢 正史氏

「私」とNature  混沌状態をすっきりさせるような研究が好き

長田 重一氏

長田重一大阪大学免疫学フロンティア研究センター教授は、アポトーシス(プログラム細胞死)の分子メカニズムの解明など、すばらしい業績を残してきた。いくつもの論文が引用ランキングに並ぶ。その始まりは、1980年に成功したインターフェロンα遺伝子のクローニングだった。

柳沢 正史氏

「私」とNature  “ねむけ”の謎を解明したい

柳沢 正史氏

筑波大学大学院時代に見つけた血管収縮物質が世界の研究者の注目を集め、米国テキサス大学にスカウトされて1991年に渡米。後を追って留学してきた後輩の櫻井武(現・筑波大学 国際統合睡眠医学科研究機構;IIIS)とともにオレキシンを発見する。この脳内の神経伝達物質が睡眠と覚醒に関係していることから、本格的に睡眠学の研究を開始。現在IIISを主宰して、「ねむけとは何か」の解明を目指している。

その他のNature 著者インタビュー

Nature Café

ネイチャー・リサーチが主催するサイエンスカフェです。グローバルな視点から様々な分野のサイエンスについて、カジュアルな雰囲気の中、一緒に語り合います。

その他のイベント

研究者の皆様

Nature 購読者の皆様への情報、また、Nature に論文投稿をお考えの方、すでに Nature に論文が掲載された著者の皆様に、リプリントサービスや購読特典をご紹介いたします。

著者の皆様へ
投稿サイト

プライバシーマーク制度