Nature

Cover Story: 飛翔への道筋:良好に保存された始祖鳥化石が鳥類進化の詳細を明らかにする

Nature 641, 8065 (2025年5月29日)

表紙は、約1億5000万年前に生息していた、既知最古の化石鳥類である始祖鳥(Archaeopteryx)の想像図である。今週号ではJ O’Connorたちが、米国シカゴのフィールド自然史博物館が取得したことから「シカゴ始祖鳥」とも呼ばれている、始祖鳥の既知14例目の標本について報告している。この標本は保存状態が極めて良好で、ほぼ完全で押しつぶされておらず、細部までが見事に保持されていることから重要である。研究チームは、この事実と、マイクロコンピューター断層撮影(マイクロCT)を用いた念入りな処理によって、この象徴的な生物の骨格、軟部組織、羽衣に関する新たな情報を明らかにすることができた。彼らは、両翼の内側にある三列風切羽と呼ばれる特殊な次列風切羽や、地上での動きに適応したことを示唆する趾蹠などの特徴を発見した。これらの新たに見いだされた一連の特徴から、始祖鳥はある程度の飛翔に適応しつつ、地上でも樹上でも快適に生活していた可能性が示唆された。

今週の目次とハイライト The Nature Top Ten バックナンバー

Nature注目のハイライト

その他のハイライト

Nature 創刊150周年記念特集

Nature ダイジェスト

Nature は次に何をすべきか

2020年4月号

Nature が150周年を迎えたのを機に、その価値観と、Nature を改善する方法について考えることにした私たちは、読者の意見をどうしても聞きたくて、アンケート調査を実施しました。

イベントレポート

日本の科学の未来
― 持続可能な開発目標の達成に向けたビジョン ―

1869年創刊のNature は今年150周年を迎える。これを記念するシンポジウムが東京大学安田講堂で開催され、日本の科学のトップランナーである大隅良典氏、柳沢正史氏や、Nature 編集長のMagdalena Skipperらが集った。日本の科学の未来を各氏はどう見ているか。自らの研究や体験をもとに語り、意見が交換された。

Nature 創刊150周年記念特集

著者インタビュー

柳沢 正史氏

「私」とNature  混沌状態をすっきりさせるような研究が好き

長田 重一氏

長田重一大阪大学免疫学フロンティア研究センター教授は、アポトーシス(プログラム細胞死)の分子メカニズムの解明など、すばらしい業績を残してきた。いくつもの論文が引用ランキングに並ぶ。その始まりは、1980年に成功したインターフェロンα遺伝子のクローニングだった。

柳沢 正史氏

「私」とNature  “ねむけ”の謎を解明したい

柳沢 正史氏

筑波大学大学院時代に見つけた血管収縮物質が世界の研究者の注目を集め、米国テキサス大学にスカウトされて1991年に渡米。後を追って留学してきた後輩の櫻井武(現・筑波大学 国際統合睡眠医学科研究機構;IIIS)とともにオレキシンを発見する。この脳内の神経伝達物質が睡眠と覚醒に関係していることから、本格的に睡眠学の研究を開始。現在IIISを主宰して、「ねむけとは何か」の解明を目指している。

その他のNature 著者インタビュー

Nature Café

ネイチャー・リサーチが主催するサイエンスカフェです。グローバルな視点から様々な分野のサイエンスについて、カジュアルな雰囲気の中、一緒に語り合います。

その他のイベント

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