Nature

Cover Story: 先史時代のペスト:古代DNAから、狩猟採集民の間で起きた致死的な感染症のアウトブレイクが明らかになった

Nature 654, 8119 (2026年6月18日)

ペストは、歴史上最も致死的ないくつかの疾患アウトブレイクを引き起こしたことで広く知られている。しかし、ペストの起源、そしてペストが初期の人類集団にどのような影響を及ぼしたのかは、いまだよく分かっていない。特に、ペストの原因菌であるペスト菌(Yersinia pestis)のこれまでに発見された古代株には、病原性に必要とされる古典的な遺伝子が欠けており、このためこの疾患の初期の形態がどれほど致死的だったのかという疑問が生じていた。今週号ではE Willerslevたちが、約5500年前までさかのぼる先史時代のコミュニティーにおける致死的なペストのアウトブレイク(集団発生)の証拠を明らかにしている。著者たちは、シベリア南東部に埋葬されていた42人の狩猟採集民の遺骸から得られたDNAを解析した。その結果、18個体でペスト菌の証拠が見つかり、さらにそれらの個体が近縁の家族集団に属していたことが示された。これは、ヒトからヒトへの伝播が起きていたことと矛盾しない。ペスト菌のこの株は、他の既知の古代株および現代株とは異なっており、研究チームは、この株が少なくとも5700年前に出現したと推定している。これらの結果は、ペストの致死的なアウトブレイクが、新石器時代の集団で確認される数百年も前に、狩猟採集民集団の内部で起きていたことを示唆している。著者たちは、この結果が、高い人口密度と農耕への移行がペスト流行の前提条件だったという考えに異議を唱えるものだと述べている。

今週の目次とハイライト The Nature Top Ten バックナンバー

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その他のハイライト

Nature 創刊150周年記念特集

Nature ダイジェスト

Nature は次に何をすべきか

2020年4月号

Nature が150周年を迎えたのを機に、その価値観と、Nature を改善する方法について考えることにした私たちは、読者の意見をどうしても聞きたくて、アンケート調査を実施しました。

イベントレポート

日本の科学の未来
― 持続可能な開発目標の達成に向けたビジョン ―

1869年創刊のNature は今年150周年を迎える。これを記念するシンポジウムが東京大学安田講堂で開催され、日本の科学のトップランナーである大隅良典氏、柳沢正史氏や、Nature 編集長のMagdalena Skipperらが集った。日本の科学の未来を各氏はどう見ているか。自らの研究や体験をもとに語り、意見が交換された。

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著者インタビュー

柳沢 正史氏

「私」とNature  混沌状態をすっきりさせるような研究が好き

長田 重一氏

長田重一大阪大学免疫学フロンティア研究センター教授は、アポトーシス(プログラム細胞死)の分子メカニズムの解明など、すばらしい業績を残してきた。いくつもの論文が引用ランキングに並ぶ。その始まりは、1980年に成功したインターフェロンα遺伝子のクローニングだった。

柳沢 正史氏

「私」とNature  “ねむけ”の謎を解明したい

柳沢 正史氏

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その他のNature 著者インタビュー

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