Nature

Cover Story: 南への旅路:全ゲノム塩基配列解読により明らかになったアメリカ先住民の拡散と多様性

Nature 653, 8113 (2026年5月7日)

人類が定住した世界最後の大陸はアメリカ大陸であった。現在のベーリング海峡に、最終氷期に形成された陸橋「ベーリンジア」により、アメリカ先住民の祖先は北東アジアから北米へと移動することができるようになった。北米に到達した彼らは、南へと拡散し、その過程で大きく異なる複数の環境に定住し、適応していった。しかし、この拡散については多くの疑問が残されている。その主な理由は、アメリカ先住民集団のゲノムデータが不足していることにある。今週号ではT Hünemeierたちが、28の語族を代表するラテンアメリカ8カ国の先住民集団の全ゲノム塩基配列解読データを用いて、この状況を是正している。著者たちは、これらのデータを、古代人個体および現代の集団のゲノムと組み合わせて、遺伝的多様性のパターンがどのように進化したかを調べた。その結果、南米への少なくとも3回の別個の拡散と、長期的な連続性および多様な環境への適応を示す証拠が見いだされた。表紙の画像は、このことを反映したものであり、図案化された先住民の頭飾りを通じてアメリカ先住民のゲノム多様性を表現している。色の違いは集団内での遺伝的混合を表しており、上部の3枚の羽は、南米での人類定住を形作った主要な移動の波を象徴している。

今週の目次とハイライト The Nature Top Ten バックナンバー

Nature注目のハイライト

その他のハイライト

Nature 創刊150周年記念特集

Nature ダイジェスト

Nature は次に何をすべきか

2020年4月号

Nature が150周年を迎えたのを機に、その価値観と、Nature を改善する方法について考えることにした私たちは、読者の意見をどうしても聞きたくて、アンケート調査を実施しました。

イベントレポート

日本の科学の未来
― 持続可能な開発目標の達成に向けたビジョン ―

1869年創刊のNature は今年150周年を迎える。これを記念するシンポジウムが東京大学安田講堂で開催され、日本の科学のトップランナーである大隅良典氏、柳沢正史氏や、Nature 編集長のMagdalena Skipperらが集った。日本の科学の未来を各氏はどう見ているか。自らの研究や体験をもとに語り、意見が交換された。

Nature 創刊150周年記念特集

著者インタビュー

柳沢 正史氏

「私」とNature  混沌状態をすっきりさせるような研究が好き

長田 重一氏

長田重一大阪大学免疫学フロンティア研究センター教授は、アポトーシス(プログラム細胞死)の分子メカニズムの解明など、すばらしい業績を残してきた。いくつもの論文が引用ランキングに並ぶ。その始まりは、1980年に成功したインターフェロンα遺伝子のクローニングだった。

柳沢 正史氏

「私」とNature  “ねむけ”の謎を解明したい

柳沢 正史氏

筑波大学大学院時代に見つけた血管収縮物質が世界の研究者の注目を集め、米国テキサス大学にスカウトされて1991年に渡米。後を追って留学してきた後輩の櫻井武(現・筑波大学 国際統合睡眠医学科研究機構;IIIS)とともにオレキシンを発見する。この脳内の神経伝達物質が睡眠と覚醒に関係していることから、本格的に睡眠学の研究を開始。現在IIISを主宰して、「ねむけとは何か」の解明を目指している。

その他のNature 著者インタビュー

Nature Café

ネイチャー・リサーチが主催するサイエンスカフェです。グローバルな視点から様々な分野のサイエンスについて、カジュアルな雰囲気の中、一緒に語り合います。

その他のイベント

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