Nature

Cover Story: 引き返し限界点:地球温暖化によって失われた南極の氷は取り戻せなくなる

Nature 585, 7826 (2020年9月24日)

地球の淡水資源の半分以上が、凍った状態で南極氷床に保持されているため、全球の海水準上昇を抑えるには南極氷床の長期的な安定性が重要になっている。今回R Winkelmannたちは、モデル研究を行い、南極氷床が気候変動に対してどの程度脆弱かを明らかにしている。地球の気候が温暖化するにつれて、南極氷床が次第に温暖化の影響を受けやすくなることが示された。さらに懸念されるのは、現在の温暖化レベルが維持されると、南極氷床を現在の形に戻すには、気温を今日のレベルに戻すだけでは不十分で、産業革命以前のレベルよりさらに低い気温まで下げる必要があるということである。今回の結果は、パリ協定で定められている温暖化の限界が達成されなければ、海水準に対する南極大陸の長期的な寄与が劇的に大きくなり、引き返すことが不可能に近くなることを示唆している。

今週の目次とハイライト

The Nature Top Ten

バックナンバー

Nature 創刊150周年記念特集

Nature ダイジェスト

Nature は次に何をすべきか

2020年4月号

Nature が150周年を迎えたのを機に、その価値観と、Nature を改善する方法について考えることにした私たちは、読者の意見をどうしても聞きたくて、アンケート調査を実施しました。

イベントレポート

日本の科学の未来
― 持続可能な開発目標の達成に向けたビジョン ―

1869年創刊のNature は今年150周年を迎える。これを記念するシンポジウムが東京大学安田講堂で開催され、日本の科学のトップランナーである大隅良典氏、柳沢正史氏や、Nature 編集長のMagdalena Skipperらが集った。日本の科学の未来を各氏はどう見ているか。自らの研究や体験をもとに語り、意見が交換された。

Nature 創刊150周年記念特集

Nature 著者インタビュー

柳沢 正史氏

「私」とNature
 混沌状態をすっきりさせるような研究が好き

長田 重一氏

長田重一大阪大学免疫学フロンティア研究センター教授は、アポトーシス(プログラム細胞死)の分子メカニズムの解明など、すばらしい業績を残してきた。いくつもの論文が引用ランキングに並ぶ。その始まりは、1980年に成功したインターフェロンα遺伝子のクローニングだった。

柳沢 正史氏

「私」とNature
 “ねむけ”の謎を解明したい

柳沢 正史氏

筑波大学大学院時代に見つけた血管収縮物質が世界の研究者の注目を集め、米国テキサス大学にスカウトされて1991年に渡米。後を追って留学してきた後輩の櫻井武(現・筑波大学 国際統合睡眠医学科研究機構;IIIS)とともにオレキシンを発見する。この脳内の神経伝達物質が睡眠と覚醒に関係していることから、本格的に睡眠学の研究を開始。現在IIISを主宰して、「ねむけとは何か」の解明を目指している。

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