Nature

Cover Story: 時間を巻き戻す:網膜細胞の再プログラム化によって可能になった老化に関連した視力障害からの回復

Nature 588, 7836 (2020年12月3日)

老化は変性過程であり、組織の機能不全や死につながる。分子レベルでは、エピジェネティックな「ノイズ」の蓄積に起因する遺伝子発現パターンの乱れが、組織の機能低下の機構である可能性が示唆されている。今回D Sinclairたちは、網膜神経節細胞に山中転写因子のうち3つ(OSK;Oct4Sox2Klf4)を発現させると、こうした細胞がより若いエピジェネティック状態へと再プログラム化され、眼の神経細胞の時計の針を逆戻りさせられることを報告している。OSKが、組織の若齢時のDNAメチル化パターンやトランスクリプトームを復元することが明らかになり、こうした復元の結果として、視神経を損傷したマウスでは軸索が再生され、緑内障のマウスモデルや老いたマウスでは視力障害が回復した。今回の結果は、哺乳類組織が、若齢時の情報の記録を保持していて、この情報の一部がDNAメチル化によってコードされていることを示唆している。こうした情報を用いることで、組織の機能を改善できるとともに、もしかすると老化の影響を逆転できるかもしれない。

今週の目次とハイライト

The Nature Top Ten

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Nature 創刊150周年記念特集

Nature ダイジェスト

Nature は次に何をすべきか

2020年4月号

Nature が150周年を迎えたのを機に、その価値観と、Nature を改善する方法について考えることにした私たちは、読者の意見をどうしても聞きたくて、アンケート調査を実施しました。

イベントレポート

日本の科学の未来
― 持続可能な開発目標の達成に向けたビジョン ―

1869年創刊のNature は今年150周年を迎える。これを記念するシンポジウムが東京大学安田講堂で開催され、日本の科学のトップランナーである大隅良典氏、柳沢正史氏や、Nature 編集長のMagdalena Skipperらが集った。日本の科学の未来を各氏はどう見ているか。自らの研究や体験をもとに語り、意見が交換された。

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Nature 著者インタビュー

柳沢 正史氏

「私」とNature
 混沌状態をすっきりさせるような研究が好き

長田 重一氏

長田重一大阪大学免疫学フロンティア研究センター教授は、アポトーシス(プログラム細胞死)の分子メカニズムの解明など、すばらしい業績を残してきた。いくつもの論文が引用ランキングに並ぶ。その始まりは、1980年に成功したインターフェロンα遺伝子のクローニングだった。

柳沢 正史氏

「私」とNature
 “ねむけ”の謎を解明したい

柳沢 正史氏

筑波大学大学院時代に見つけた血管収縮物質が世界の研究者の注目を集め、米国テキサス大学にスカウトされて1991年に渡米。後を追って留学してきた後輩の櫻井武(現・筑波大学 国際統合睡眠医学科研究機構;IIIS)とともにオレキシンを発見する。この脳内の神経伝達物質が睡眠と覚醒に関係していることから、本格的に睡眠学の研究を開始。現在IIISを主宰して、「ねむけとは何か」の解明を目指している。

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