Research Press Release

【遺伝】青銅器時代のヨーロッパにおける父系系譜の拡大

Nature Communications

2015年5月20日

青銅器時代における広範な男性特異的な拡大がヨーロッパの現生人類集団の人口増加に拍車をかけたという見解を示す論文が、今週掲載される。今回の研究結果は、現代ヨーロッパ人の起源の解明に役立ち、青銅器時代のヨーロッパの社会構造に対する関心を高めるものといえる。

現代ヨーロッパ人集団に関しては、その起源と時期をめぐって激しい議論があり、新石器時代の農耕民と旧石器時代の狩猟採集民の相対的な寄与度も分かっていない。今回、Chiara Batiniたちは、ヨーロッパ人集団と中東人集団(合計17集団)のY染色体の雄性特異的領域の一部について塩基配列解読を行い、新石器時代以降、比較的近年のヨーロッパ大陸全体で急激な人口増加のあったことを明らかにした。特に2,000~4,000年前頃の青銅器時代には、父系系譜(父方で繋がる子孫群)が増え始めていた。

青銅器時代初期は、広範囲で急激な変化が見られ、埋葬習慣の変化、乗馬の普及、武器類の発展などの特徴があった。今回観察されたパターンの一部は、こうした習慣が男性の主導する社会選択と結び付くことで生じたとBatiniたちは考えているが、この点を明らかにするには古代DNAの研究が必要とされる。

doi:10.1038/ncomms8152

「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。

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