Research Press Release
肺を深く観察する
Nature Methods
2010年12月13日
画像化が極めて困難な臓器であるマウスの肺をin vivoで画像化する方法が、Nature Methods(電子版)に発表される。肺、あるいはほかの臓器を、正常な機能への影響を最小限にしながら画像化することができるようになったことで、生理および疾患のさまざまな側面を深く調べることが可能になると考えられる。
組織または臓器の画像化は、生体内で可能なかぎり非侵襲的に行うのが理想的である。しかし、それには多くの困難が伴う。光は組織を透過しようとするときに吸収されたり散乱したりし、画像の質が低下するのである。さらに、麻酔した動物でも脈拍および呼吸の運動は行われており、動的プロセスの画像化は困難なものとなっている。肺では、こうした問題の多くがいっそう顕著である。
しかし肺は、重要な機能を複数もつ臓器であり、吸気、およびそれに含まれる毒素や病原体という外部環境と体内環境が接触する重要な部位となっている。呼吸および免疫機能の両面で、肺の血管系は絶えず比較的濃密に吸気と接触している。
M Krummelたちは、新旧の技術を駆使して生きたマウスの肺を画像化し、しかも正常な生理機能を妨げずにそれを行った。研究チームは、二光子顕微鏡法により、肺の毛細管内を移動する免疫細胞を観察した。
doi:10.1038/nmeth.1543
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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