Research Press Release
薬物中毒の悪循環を断ち切る
Nature Neuroscience
2015年2月3日
コカインの常用中止によるマウスの抑うつ様行動は、特定の脳領域での神経連絡を妨げると緩和できるという報告が、今週のオンライン版に掲載される。
コカインなど依存性のある物質の常用を中止すると、不安で憂うつな状態が生じる可能性があり、これがさらなる薬物乱用をもたらす。このような現象の神経基盤をより理解するために、Manuel Mameliほかの研究者は、コカイン摂取後のマウスで神経生理学的応答を調べた。Mameliらは、コカイン摂取したマウスでは、外側手綱という不愉快な事態に応答するとされる脳領域から吻側内側被蓋核という別の脳領域への連絡が増強していることを発見した。この連絡増強は長く持続し、最初の薬物摂取から数日間続いた。研究ではまた、神経連絡の増強を妨げる小タンパク質が、コカイン常用中止によって誘導されるマウスの抑うつ様行動を軽減できることも示された。
臨床における介入に適用するには一層の研究が必要だが、今回の研究は、薬物に伴う抑うつのような悪い情動状態の軽減に向けて、候補分子と 解剖学的標的を特定するものである。また同時に、薬物が引き起こす悪い症状の原因がさまざまな不愉快な事態を処理する特定の脳領域にある可能性も示している。
doi:10.1038/nn.3923
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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