Research Press Release
初期太陽系中の氷と関連付けられた地球の窒素
Nature Geoscience
2015年1月20日
地球大気中と始原的隕石(形成時からほとんど変成を受けていない隕石)中の窒素は、初期太陽系の始原的氷貯蔵庫から取り込まれた可能性があるという報告が、今週のオンライン版に掲載される。太陽系の初期に形成されたアミノ酸などの窒素を含む有機化合物は地球上の生命の出現に寄与しているかもしれない。
Dennis Harriesたちは始原的隕石を分析し、カールスバージャイトと呼ばれる窒素を含んだ鉱物を見つけた。カールスバージャイトが存在することは、出現した太陽系内部で高温の反応性アンモニアと金属が反応したことと一致する。Harriesたちは、アンモニアは、太陽系内部へと輸送された氷に含まれ、その後通過する衝撃波により加熱されたのだろうという。
また、カールスバージャイト中の窒素は、地球大気中に見られるものと地球化学的には似た性質を示しており、始原的氷は初期地球にも窒素(および潜在的に窒素を含む有機化合物)を供給したことを示唆されている。しかしながら、始原的氷の起源はよく分からないままである。
doi:10.1038/ngeo2339
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
量子物理学:「時間を逆転させる」ことで量子ダイナミクスを探るNature
-
環境:リチウムイオン電池リサイクルのための国際的な枠組みNature
-
生態学:一部の石サンゴが気候変動を生き延びる可能性Nature
-
素粒子物理学:チームワークがニュートリノの挙動の理解を深めるNature
-
気候変動:米国の都市における肉の消費がもたらすカーボンコストNature Climate Change
-
古生物学:アルゼンチンの恐竜たちはどのようにして首を長く伸ばしたのかNature