Research Press Release
恐れを一般化
Nature Neuroscience
2014年12月23日
霊長類では、ある神経刺激と他の恐れを誘導する刺激との関連を学習すると、扁桃体での中立刺激の表出が変化するとの報告が、今週のオンライン版に掲載される。以前は中立だった刺激の神経表出に生じる変化は、動物がある刺激と恐れとの関連を他の似た刺激に拡張して恐れを一般化する仕組みの背後にあるのかもしれない。嫌悪記憶の過度な一般化はヒトの不安障害に関わると考えられている。
Rony Paz他の研究者たちは、嫌な臭い(無条件刺激)とある音(条件刺激)とを関連させるよう訓練した、ヒト以外の霊長類について研究した。訓練後、動物は条件刺激に応答して恐れを示しただけではなく、条件刺激と音程の似た音にも同様に応答した。
恐怖学習に関わり不安障害に関与する脳の部分である扁桃体のニューロンから取った記録は、音に応答する個々の扁桃体ニューロンがその特性(「チューニング」)を恐怖学習の後に異なる音程の音に変えたことを示していた。恐怖学習に続いて、一部のニューロンは特性を条件刺激の方にずらしその幅を狭めていたが、ほかのニューロンは条件刺激から離れる方にずらして特性を拡大していた。音に対する神経特性のこれらの変化は、恐怖学習に続いて起こる行動の一般化に関わっている可能性が考えられる。
doi:10.1038/nn.3900
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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