Research Press Release
北米氷山の亜熱帯での結末
Nature Geoscience
2014年10月13日
2万年前から1万年前の間に、北米東部を覆っていた氷床から放出された氷山は、南はフロリダまで漂流していたとの報告が今週のオンライン版に掲載される。
Jenna HillとAlan Condronは、ノースカロライナ州ハッテラス岬南部の海底地形を用いて、氷山によって削られた数多くの長く狭い溝を見つけた。この傷跡の分布と形状は、これらが最大300メートルの厚さがある氷山によって形成されたことを示唆している。海洋循環の数値モデルに基づいて、著者たちは、北米氷床の融解による水が海洋に放出されていた時期にできた狭く冷たい沿岸流により、これらの氷山がそこまで運ばれたと論じている。比較的小さい融解水の放出でも氷山をサウスカロライナまで運ぶことはできたが、フロリダ州の海岸まで氷山が到達するのは強力な融解水の放出が起きた時期のみであった。
doi:10.1038/ngeo2267
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
古生物学:アンモライト宝石が鮮やかな色を得る仕組みScientific Reports
-
古生物学:小さなティラノサウルスの謎Nature
-
生物学:新しい抗毒素が蛇咬傷から守るNature
-
気候変動:南極の棚氷が海洋温暖化によって脅威にさらされているNature
-
細胞生物学:ホッキョククジラの長寿の謎が解明されるNature
-
惑星科学:圧力下で水の世界が形成されるかもしれないNature
