Research Press Release

【惑星科学】火星表面における砂の移動

Nature Communications

2014年10月1日

火星では砂を動かすほど強い風が毎日のように吹いていることを示す証拠が、今週掲載される論文で明らかにされる。これまでの観測では、火星の地形が風によって侵食されていることが明らかになっていたが、火星の大気が薄いため、砂を動かすほどの風はまれにしか起こらないと最近までは考えられていた。また、こうした風の強さ、頻度と原因も分かっていなかった。

今回、Francois Ayoubたちは、マーズ・リコネサンス・オービターによって得られた数年分の高分解能画像を用いて、火星のニリ・パテラ砂丘地域の詳細な測定を行った。この測定で、砂漣の移動が毎日のように起こっており、強い季節性があることが明らかになった。砂漣の移動は、地球上の砂丘で一般的に起こっている現象である。Ayoubたちは、この測定結果と大気モデルを用いて、火星の風応力の閾値(砂を動かすために必要な風量)を推定した。

今回の研究は、火星の気候条件と地形過程の研究、そして、オービター(宇宙探査機)とローバー(探査車)の探査によって明らかになった地形の解釈に新たな道を開くものである。今回行われた測定を地球上で行うことは、そのための十分な画像がないために不可能だとされるが、今回の研究により、そのための地上での実験が活発化するかもしれない。

doi:10.1038/ncomms6096

「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。

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