Research Press Release
正々堂々
Nature Neuroscience
2014年9月1日
背外側前頭前野という脳領域に障害があると、患者は公正な判断よりも自己中心的な判断をしやすくなるとの研究報告が、今週掲載される。
Ming Hsuたちは、背外側前頭前野または眼窩前頭野(前頭部背後にある脳領域)に持続して脳障害を持つ患者、ならびに脳に障害のない対照者を観察した。被験者にエコノミックゲームをやってもらい、お金を協働的に分配する方法を決める際に、私利に走るか公正を重んじるかを調べた。
Hsuたちは、他の2群に比べて背外側前頭前野に障害のある患者では、パートナーに嘘をついてパートナーが自分よりも金銭的利益を多く得ないようにする傾向が強いことを発見した。そして、これらの結果をモデル化することにより、背外側前頭前野は通常では私利よりも正直であることを優先するのに役立っていて、この領域に障害があるとこうした能力が損なわれるという結論を出している。
doi:10.1038/nn.3798
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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